牛乳が余ったらどうなるの?そのとき酪農家は?

2025-06-24 配信|川上牧場 酪農データバンク

配信の全文

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こんにちは。川上牧場の川上です。

この記事では、あるリスナーさんから届いた

「牛乳がたくさん採れて余った場合、どうするんですか?」という質問に、酪農現場の視点からしっかりお答えしていきます。

牛乳は日々の暮らしに欠かせない食材ですが、その背景にある流通や保存、調整の仕組みについては、意外と知られていません。この記事を読んでいただければ、牛乳がスーパーに届くまでの裏側が少し見えるようになるはずです。

■ 牛乳が余るってどういうこと?

「牛乳が余る」とは、簡単に言うと“供給が需要を上回る”状態です。

たとえば、冬休み・夏休みといった長期休み期間、学校給食が止まります。さらには、コロナ禍のように飲食店や給食が一斉に止まる事態が起これば、牛乳の大口消費先が一気に減り、結果として“余る”状況が生まれます。

■ 余った牛乳はどうなるのか?

余剰分の牛乳は、すぐに廃棄されるわけではありません。以下のように加工・保存されることが一般的です。

・脱脂粉乳やバターに加工され、長期保存可能な食品へ。

・保存用の在庫としてストック(ただし倉庫を圧迫するという問題あり)。

ただし、加工にはコストがかかります。特に中小の乳業メーカーにとっては赤字リスクを伴うことも少なくありません。

過去には北海道でやむを得ず一部牛乳を廃棄した例もありましたが、現在では流通や団体が連携して、廃棄を避ける体制が構築されています。

■ 酪農家は牛乳をどうやって販売しているの?

多くの方が誤解されている点かもしれませんが、酪農家が自分で牛乳を瓶に詰めて直接売っているわけではありません。

日本の酪農は、地域ごとに組織された

「生乳販売団体(通称:農協や乳販連)」に出荷します。

そこから以下のような流れで消費者のもとへ届けられます。

・生産:酪農家が搾乳。

・集荷:タンクローリーが牧場を回って生乳を回収。

・処理:乳業メーカーで殺菌・パック詰め。

・配送:スーパーや学校へ出荷。

生産地と消費地が離れている場合(たとえば北海道から関東へ)、大型の冷蔵船やタンクローリーを用いて、全国規模で牛乳が動いています。このシステムにより、いつでもどこでも牛乳が手に入る環境が維持されています。

■ 需給バランスが崩れたらどうする?

牛乳は農産物でありながら、日配品(毎日供給が必要な食品)でもあるため、需給調整が難しい商品です。

国や団体では、以下のような調整策を取っています:

・生産調整:牛の頭数を減らすなどして搾る量を調整。

・地域間移動:九州の牛乳を関西へ、関東の牛乳を東北へなど、物流を使って需給を調整。

・補助金制度:加工や保存にかかるコストに対して国が支援。

■ 消費者としてできること

この記事を読んでくれたあなたにもできるアクションがあります。

・日常的に牛乳を飲むこと。 特に冬場など需要が減る時期に意識的に摂取することが大事です。

・ロングライフ牛乳やスキムミルクを備蓄。 万が一の災害用として保存できる牛乳製品を家庭に置いておくことは、社会全体の需給安定にも貢献します。

・信頼できるブランドを選ぶ。 プライベートブランドの安価な牛乳もありますが、地域の酪農家や乳業団体が連携してつくる牛乳を選ぶことで、地域経済や持続可能な農業を応援できます。

■ おわりに:牛乳を楽しむという応援のかたち

牛乳が余るというのは、一見消費者には関係のない話のようでいて、実は私たち一人ひとりの消費行動が未来の酪農を支えています。

難しい話に聞こえるかもしれませんが、シンプルに「美味しく飲む」ことが最大の応援です。季節や体調に合わせて、ホットミルクにしたり、ヨーグルトやチーズを取り入れたりするのもおすすめです。

川上牧場では、そんな牛乳の背景や酪農のリアルをもっと知ってもらいたくて、毎日音声配信や記事の発信を行っています。興味があればぜひフォローしてください。

今日も牛乳で乾杯していきましょう!

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