R7年研修生と配信 #46

2026-03-11 配信|川上牧場 酪農データバンク

配信の全文

https://youtu.be/tfPDNiNQnQc?si=bJUBXoONT6gMvW1U

「牛乳が好きです」

そう言いながら笑う研修生と一緒に、今日も牛舎で配信を収録しました。

収録日は2月21日。朝の空気はまだ冷たくて、でも牛舎の中にはいつもの仕事の温度がある。そんな中で、今日は少し変わったテーマを持ち込みました。

それが、「日本ミルクガイドの牛乳診断をやってみる」という企画です。

酪農や牛乳に関わる団体、牛乳メーカー、地域ブランド。

世の中には牛乳に関する情報が本当にたくさんあります。サイトも多いし、商品も多いし、各地域にいろんな牛乳がある。でも、情報が多いわりに、消費者が「結局どれを飲めばいいの?」と迷いやすいのも事実です。

そこで生まれたのが、日本ミルクガイド。

牛乳の魅力をわかりやすくまとめ、もっと気軽に自分に合う牛乳と出会えるようにするための入り口として作られたサイトです。

今回は、その中にある「牛乳診断」を、牛乳大好き研修生と一緒に試してみました。

https://milk-guide.jp/diagnosis/

ただし、やってみてわかったのは、牛乳の好みって意外と難しいということ。

そしてもうひとつ、“牛乳を選ぶ”という行為そのものが、思っていた以上に奥深いということでした。

「牛乳に求める味」を言葉にする難しさ

診断の最初の質問は、こうでした。

「今あなたが牛乳に求める味わいとして一番近いのはどれですか?」

選択肢は、

・まろやかで余韻が残る

・濃厚でしっかりとしたコク

・すっきりとした飲み口

……ここで早速、二人とも止まります。

普段、僕たちは牛乳をかなりの頻度で飲んでいます。

仕事でも、生活でも、牛乳はすぐ近くにある。

けれど、いざ「どんな味を求めるか」と聞かれると、急に言葉が難しくなるんですよね。

研修生は「濃厚でしっかりしたコク」が好きだと言いました。

僕も基本的にはそっち派です。やっぱり牛乳には牛乳らしい厚みが欲しい。口に入ったときに「ちゃんと乳だな」と感じる重みというか、飲みごたえがある方がうれしい。

一方で研修生は、「まろやか」も好きだと言う。

ここが面白いところで、「濃い」と「まろやか」は同じようで違うんです。

たとえば、搾ったばかりの牛乳を少し置くと、上に脂肪分が集まって、かなり濃い層ができます。あそこだけ飲むと、もう生クリームに近い。

もちろんそれはそれで面白いけれど、毎日飲みたいかと言われるとまた別の話です。

上は濃すぎる。下は少し軽い。

だから真ん中くらいが好き。

この感覚、すごくよくわかります。

牛乳は単純に「濃ければ勝ち」ではないんですよね。

濃さの中に飲みやすさがあるか。口当たりに丸みがあるか。後味が重すぎないか。そういう微妙なバランスが、好き嫌いを分けている。

つまり、「牛乳が好き」と一言で言っても、その中にはかなり細かい好みが隠れているんです。

容器の違いは、味以上に“体験”の違いかもしれない

次の質問は、「容器や飲み方のスタイルで惹かれるのはどれ?」というものでした。

・グラスに注いでゴクゴク飲む日常感

・ストローで味わう気軽感

・牛乳瓶で飲む特別感

ここで二人とも思ったのが、「牛乳パックから直接飲む、が無い」ということです。

もちろん推奨される飲み方ではないし、公式サイトとして載せにくいのはわかるんですが、日常のリアルとしては、たぶん選択肢に入れたくなる人も多い。

このあたりに、牛乳の面白さがあります。

牛乳って、飲み物であると同時に、生活の中の道具なんです。

コーヒーに入れることもある。シリアルにかけることもある。料理に使うこともある。でも、風呂上がりに瓶で飲む牛乳は、それらとはまったく違う体験になる。

研修生は迷わず「牛乳瓶」。

僕も、やっぱり瓶には特別感があると思っています。

瓶牛乳って、味そのものも大事なんですが、それ以上に「飲む場面」が強いんですよね。

温泉の脱衣所。自販機の前。少し火照った体。冷えた瓶を手に持って、一気に流し込む感じ。あれはもう、味覚だけじゃなくて記憶ごと飲んでいる。

逆に、ストローで牛乳を飲む文化は、今かなり変わってきています。

学校給食では、かつては当たり前だったストローが減ってきました。

その背景には、プラスチック削減の流れがあります。

実際、練馬区の小学生が「学校給食の牛乳ストローを見直そう」と声を上げたことがきっかけになって、ストローを使わずにそのまま飲める紙パックの形が広がっていった、という話があります。

小学生の提案が社会を動かし、乳業メーカーと一緒に形を変えていった。これ、すごくいい話ですよね。

https://www.change.org/p/%E7%B5%A6%E9%A3%9F%E7%94%A8%E7%89%9B%E4%B9%B3%E3%81%AE%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%92%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%84

牛乳って、ただ飲むだけじゃなくて、社会の変化や価値観の変化を映す存在でもあるんです。

「搾りたてに近い風味」とは、誰にとってのリアルなのか

診断を続けていく中で、僕が一番ひっかかったのは、

「今、牛乳を手にするとしたらどんな魅力に惹かれますか?」という問いでした。

選択肢の一つにあったのが、「搾りたてに近い風味」です。

ここで二人して考え込みました。

搾りたてって、飲んだことがある人、そんなに多くないんじゃないか。

そもそも、多くの人にとって“搾りたて”の基準がないんじゃないか。

これは本当にその通りで、牛乳業界の中にいると当たり前に使ってしまう言葉でも、一般の消費者からすると、かなり想像で選ぶしかない表現だったりします。

「牧場っぽい味」

「フレッシュそう」

「自然っぽい」

たぶん、そういうイメージで選ばれるんだと思います。

でも、そのイメージを言葉だけで消費させるのではなく、実際にどういう殺菌方法で、どういう風味になっているのかまで、ちゃんと伝えられた方が、牛乳はもっと面白くなる。

たとえば、配信の中でも話題に出た「蒸気でやさしく殺菌する方法」。

高温で一気に処理するのではなく、焦げっぽさを抑えながら、比較的フレッシュな風味を残すような工夫がされている牛乳もあります。

こういう違いって、本当は牛乳好きにとってめちゃくちゃ面白いんです。

でも、今はまだその面白さが十分に届いていない。

つまり、「搾りたてに近い風味」という言葉の裏側には、まだまだ伝えきれていない牛乳の物語がたくさん眠っているということなんですよね。

パッケージで牛乳を選ぶ時代に、酪農家は何を思うか

「牛乳を手に取るとき、どんなパッケージデザインに魅力を感じますか?」

この質問も、なかなか考えさせられました。

・ポップなデザイン

・シンプルなデザイン

・温かみのあるデザイン

・地域の特色が出ているデザイン

消費者としてスーパーに立ったとき、知らない牛乳が並んでいたら、確かに最後はパッケージが決め手になることもあります。

特に旅先ではなおさらです。その地域の牛乳事情なんて知らないし、どれが定番かもわからない。そんな中で「北海道っぽい」とか「地域感がある」とか、「なんとなく良さそう」で選ぶことはある。

でも、生産現場にいる側からすると、ちょっと複雑でもあります。

というのも、牛乳の中身そのものではなく、外側にどれだけコストをかけるかという話にもつながるからです。

もちろん、デザインは大事です。

でも、派手な見た目より、シンプルに中身で勝負してほしいという気持ちもある。

研修生は地域の特色が出ているデザインに惹かれると言いました。

僕はどちらかというと、シンプル派です。

ここにも、牛乳の選び方の二面性があります。

人は味だけでは買わない。でも見た目だけでも続かない。

牛乳は、中身と外側のちょうどいいバランスが求められる商品なんです。

診断は面白い。でも、もっと伸びしろがある

そして最後に、地域を選んで結果を見ると、おすすめの牛乳がいくつか表示されました。

これが、やってみると結構面白い。

「そんな牛乳あるんだ」と知れるし、旅行先で牛乳を選ぶきっかけにもなる。

普段、自分の地域の牛乳しか見ていないと、全国には本当に多様な牛乳があることに気づきにくいので、そこを可視化してくれるのはすごく良いと思います。

ただ、正直に言えば、もっと使いやすくなったらさらに面白いとも感じました。

たとえば県ごとに絞り込みたい。

たとえば「濃い」「すっきり」「瓶がある」「温泉で飲みたい」みたいなタグで探したい。

たとえばパックの裏から公式サイトや商品ページにすぐ飛びたい。

そういう導線が整えば、診断は単なる遊びではなく、“牛乳を選ぶ道具”としてかなり強くなると思います。

消費者が牛乳をもっと面白く選べるようになる。

旅先で「この土地の牛乳を飲んでみよう」と思えるようになる。

そして地域の乳業メーカーや酪農家に興味を持つ人が増える。

そうなったら、この取り組みはかなり価値が大きいです。

牛乳を選ぶことは、その土地を飲むことかもしれない

今回、研修生と一緒に牛乳診断をやってみて、改めて感じたことがあります。

それは、牛乳って単なる白い飲み物じゃない、ということです。

味の違いがある。

容器の違いがある。

殺菌方法の違いがある。

地域性がある。

そして、その裏には、酪農家と乳業メーカーの仕事がある。

つまり牛乳を選ぶということは、少し大げさに言えば、その土地の空気や考え方を飲むことでもあるんですよね。

普段は何気なく飲んでいる牛乳でも、ちょっとだけ立ち止まって見てみると、ちゃんと個性がある。

そして、その個性を言葉にしていくことは、牛乳の価値を上げていくことにもつながるはずです。

日本ミルクガイドの牛乳診断、ぜひ一度試してみてください。

そしてできれば、「この機能があったらもっと使いやすい」

「ここが面白かった」という声も届けてみてください。

生の声が集まれば、きっともっといいものになっていく。

牛乳の世界も、そうやって少しずつ育っていくんだと思います。

今日は、牛舎からのちょっとした雑談でした。

でも、こういう雑談の中にこそ、牛乳の面白さって隠れているのかもしれません。

みんなも、試してみてね。

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https://note.com/kawakamifarm/n/n2c2f4763349b

https://note.com/kawakamifarm/n/nbf0a8d7a7a3e

https://note.com/kawakamifarm/n/nb863584c2103

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