川上牧場休憩中(酪農ってマニュアル(説明書)が無い)
2021-05-14 配信|川上牧場 酪農データバンク
この回の要旨
酪農にマニュアルがないのは、ベテランが仕事をこなしすぎて記憶と勘で処理してしまい、説明書が育たなかったから。だからこそ、まだ現場の勘が染みついていない新人だからこそ気づけることがあり、それを形に残していくことが、次の世代への「ロープウェイ」になる、という回でした。
この回の要点
- 酪農に説明書がないのは、ベテランが仕事をできすぎて、記憶と勘で残さなかったから
- ヘルパーは素人ではないぶん、現場のやり方に素朴な疑問を持てる人には出会いにくい
- 鉱塩の位置や車の停め方など、面倒に見える引き継ぎは、他の問題ともつながっている
- 仕組みは固定ではなく、いちばん気づく作業者が変えられる形にしておくとよい
- ヘルパーに選ばれる時代だからこそ、誰が来ても回る準備を牧場側が整える必要がある
配信の全文(podyの記事より)
新人ヘルパーが送った「自分でも驚くメモ」
この回は、川上牧場の休憩中に交わされた雑談です。ゲストは川上さんから、酪農の仕事内容についてのメモを送るよう頼まれていました。
送られてきたのは、乳牛2頭から始まる牧場の話や、今は3人でやっていること、週に1回ヘルパーが来ること、機械の一覧などをまとめたメモでした。ただ、ゲスト自身がその出来に少し戸惑っていたようです。
ゲスト ちょっと自分でも驚くメモですけど。
川上 なぜ撮った?あれ?これ何?なんで?なんでこんなの書いてあるがや?って思うような。後から。
メモには「ふんかき策定」といった、後から見ると意味を取りにくい言葉も並んでいたようです。1日あたり何キロ餌をあげるか、何頭いるか、餌の種類は何かといった、現場の実務が断片的に書き留められていました。
ヘルパーの求人を「リミッター解除」した理由
話題は、川上さんが進めているヘルパーの求人に移ります。会議での判断が変わり、ヘルパーがいない地域でも、病気や怪我で人を頼めない牧場になら行けるようになったといいます。
川上 (ヘルパーが)ないところも、その傷病が出た場合、病気とか怪我とかが出て、ヘルパーを頼めないところでも行けるようになった。
川上 だからもうリミッター解除してめちゃくちゃ人を呼ぼうと思って、昨日Twitterでめちゃくちゃやったわけですよ。
川上さんによると、昨日の投稿だけで4440人に届き、求人にアクセスしたのは37人。「100人おれば1人ぐらいは引っかかるでしょ」と、手応えを語ります。
ただ、時期的に人が動きにくいことも自覚していて、過度な期待はしていない様子でした。川上さん自身は出雲地区だけでなく、島根全体を見る立場だと話します。
農大で「しこたま免許」を取った理由
求人つながりで、農業大学校の話になります。ゲストが会った子は大型免許を持っているのに人工授精師の資格がなく、周囲から珍しいと言われていたそうです。
川上さんによると、農業大学校は在学中にたくさんの免許を取らせてくれる環境で、補助も出るといいます。授業で習う内容と重なる免除科目も多く、取るなら在学中がいちばんお得だという話です。
農業大学校 農業の担い手を育てる専門的な教育機関。畜産や作物の実習に加え、大型特殊やフォークリフトなど、農作業に関わる各種資格を取得できる場合があります。
川上 ガス溶接もアーク溶接も持ってるし、玉掛けも持ってるし、フォークリフトも持ってるし。全部持ってるんで。
川上さん自身も、その時期に「しこたま取ってやろう」と考えて、畜産に関係するものからしなさそうなものまで取ったといいます。だからこそ、免許の組み合わせで「こだわったんだね」と言われたのだと振り返ります。
新人が増えても「やらせられへんところ」が出る
話は、川上牧場に新しく人が来る場合の研修方針に移ります。以前の方式は2週間ごとにいろんな牧場のヘルパーに行かせるものでしたが、川上さんはあまり良くないと感じていました。
川上 前の人は2週間ごとにこういろんなところのヘルパー行かせたりっていう研修方法だったけど、あんまり良くないんじゃないかなと思うから、うちで1ヶ月ぐらいがいいんじゃないかな。
一方で、人が多すぎると問題も出ると川上さんは言います。今も来てくれる人がいて回っていますが、余裕ができると、逆にやることがなくなってしまうのです。
川上 余裕ができてしまうと本当にやることないから。僕はきついもん。待っとかなきゃっていうか、やることねって。
ゲストも、新人に「中途半端にしか任せられない場面」があると指摘します。川上牧場は頭数的に1人でも回るくらいの規模で、いわゆる適正人数がぴったりではないという事情もありました。
初めての牧場で気づいた「ショータイプ」の牛
ゲストは検定員としても各牧場を回っており、久しぶりに長迫さんの牧場でボディコンディションスコアを取った体験を話します。そこは初めて訪れる、初めて見る牛たちの場所でした。
ボディコンディションスコア 牛の体の肉付きを、痩せ気味から太り気味まで段階で評価する指標。栄養状態の管理や、繁殖・搾乳のコンディションを見るために使われます。
その牧場の牛は、全体的に背が高くて脚が長い印象で、低くてどっしりした牛がいなかったといいます。ゲストは、いわゆるショータイプの種を付け続けた結果ではないかと見ていました。
ゲスト (牛が)ちょっと高いというか、背高いというか脚長め。多分それで固まってるっぽいなと思って。
初めて見るタイプの牛だったため、スコアを取るのに迷ったとゲストは言います。それでも「あれぐらいの数だったから」と、頭数が多くなければなんとかなる感覚も語りました。
川上 もうインスピレーションだけどね、本当に。
牛だけでなく「建物との相性」を見る目
ゲストの気づきは、牛単体から牛舎との相性へと広がっていきます。牛舎には天井の高さなど、建物ごとの違いがあり、大きい牛だと当たってしまう場所も出てくるという話です。
ゲストは、川上牧場のように天井から何本以下だときつい、と考える現場と、下から何本高い方がいい、と考えて種を付けている現場とで、発想が逆に見えたと話します。牛だけでなく、その牛が建物に対してどうなのかを意識するようになったのです。
ゲスト 天井から何本以下じゃないときついなって考え方やけど、向こうは下から何本高い方がいいよなって考えてつけてる雰囲気に、素人からは見れる。
川上さんは、この視点を高く評価します。1つの牧場で「俺はショータイプがいい」とだけ考えていたら、一生触れずに終わったはずの気づきだからです。
だからもう1ヶ月の時点でそうやって見れる目ができてきたっていうのは、まあ成果だけど。 ── 川上
ヘルパーは「ズブの素人」ではない、という盲点
ここからゲストは、ヘルパーという存在の特殊さを語ります。ヘルパーとして来る人が、まったくの素人であることはほとんどありません。学校を出ていたり、すでに牛を触った経験があったりするからです。
つまり、牛は何頭も触ってきたけれど、この牧場のやり方は初めて、というパターンが多い。そのため、各牧場のやり方に対して「なぜこのやり方なのか」とトンチンカンに疑問を持つ人には、なかなか出会えないとゲストは言います。
ゲスト ここのやり方初めてです、教えてくださいは、でも、いや、うちはこうやんねんがあっても、なんだこれは?っていう、その全くトンチンカンなやつっていうのは、結局皆さん一番会えてないのではないか。
だからこそ、川上さんが配信を続けているのだといいます。日々やっていると、初めて牛を触った時やミルカーを使った時の感覚は忘れてしまう。その新人の感覚を残せる時代になった、というのが2人の共通認識でした。
ミルカー 牛の乳を搾るための搾乳機。乳頭に装着して機械で搾ることで、手搾りに比べて効率よく、多頭数の搾乳ができます。
川上 最初の1頭目の分娩の時覚えてますかっていうやつで、覚えてないっていう人はやっぱ忘れちゃってるんだよね。日々やってるから。
エキスパート集団化が、新人を締め出す
ゲストは、酪農の現場を高度なチームプレーにたとえます。連携が取れているからこそ守れている状態は、高度な戦術のようでもある。ただし高度になるほど、1人でも欠けたり連携をミスしたりすると危うくなるといいます。
その結果、素人が手を出せなくなる。産業として価値を高めようと努力するほど、新しい人が入りにくくなるという、難しい構造が生まれます。
本当に研ぎ澄まされたエキスパート集団じゃないと生き残っていけないような状況になっちゃってるから。 ── 川上
この悪循環に対して、川上さんは自分の立ち位置を語ります。プロ集団はプロ集団でやってもらいつつ、自分はそこをサポートする側に入ることで、うまくいく道があるのではないかという考えでした。
エキスパート化が生む悪循環
産業として価値を高める
研ぎ澄まされたエキスパート集団を目指す
↓
連携が高度化する
1人欠けたり連携をミスすると危うくなる
↓
素人が手を出せない
新しい人が入りにくくなる
地域で「小学生・高校生」を巻き込む構想
話は、酪農を地域でどう開いていくかに移ります。ゲストは、都市に近い牧場で小学生の体験を受け入れ、近くの高校生がその説明役を担うような流れを思い描きます。
その構想では、高校生だけで完全運営はできないので、学校や牧場主も関わりつつ、半分は「1人見れる人がいればいい」というスタイルにする。牧場を学校に半分貸すくらいの感覚で、少しずつ役割を渡していくイメージです。
川上 都市近郊酪農のメリットでもあるし、やらなきゃいけないことだと思うから。
川上さんは、この動きはヘルパーや従業員になってしまうとできないと指摘します。自分の裁量で地域を巻き込むような動きは、立場を選ぶ、という話でした。
「まず自信満々、あとで頭を下げる」新人の波
ゲストは、新人が通る自信の波について語ります。浅く知った段階がいちばん自信があり、そこからさらに知ると、深い世界に気づいて先輩に頭を下げたくなるといいます。
ゲスト いっちゃん自信あるんで、ちょっと知った時、言うたら浅い時が一番自信ある。
その後、経験を積むと、自信がなさすぎるのも、ありすぎるのも違う、という「ちょうどいい自信」に落ち着く。だからこそ途中でやめず、ある程度続けることが大事だという話です。
川上さんは、牧場がいま本当に欲しいのは、この波を経て少し自信が出てきた「3年ちょっと過ぎ」の人材だと言います。ところが実際に採用されやすいのは、履歴書がきれいで、これから調子に乗る手前のゼロ地点の人だと、ゲストは矛盾を指摘しました。
新人の自信の波
浅い時
経験後
浅い時:いちばん自信がある。「それも知らんのか」と思いがち
知り始め:深い世界に気づき、先輩に頭を下げたくなる
経験後:なさすぎもありすぎもしない、ちょうどいい自信に落ち着く
「学校を出ているから」で採る文化への違和感
採用の話は、資格や学歴の評価へと広がります。ゲストの周りには、とりあえず専門学校に行く、という流れの子もいて、「学校を出ているから誰か拾ってくれるだろう」という空気を感じていたといいます。
川上 でも日本の考えじゃない、それね。
ゲスト 平成の考え。
入るのが難しく、出るのは簡単、という文化のせいで、入学時に燃え尽きてしまう人もいる。一方で、準備を整えて「よし、やろう」と入る人との温度差は大きい、とゲストは言います。
そのうえで、学校を出た人のほうが履歴書がきれいで価値が高く見えてしまう。何もやったことのない30過ぎより、学校を出た人が選ばれる。ゲストは、それが酪農そのものの価値を安く見せてしまわないかと危ぶみます。
ゲスト それに価値見いだしてまうから価値なくなってまうんちゃうかなと思ったんですよね、酪農が。
仕事ができすぎて「説明書が育たなかった」
この回の核心が、ここで語られます。ゲストは、なぜ酪農にマニュアルがないのかを、こう説明します。ベテランたちが仕事をこなしすぎたせいで、記憶と勘で処理してしまい、説明書が残らなかったのだ、と。
うまいこと慣れてしまったせいでマニュアルが育たんかったんですよ。 ── ゲスト
本来はマニュアルとして渡されたはずのメモも、頭に入っているからと消えていく。その神業のようなプレーの結果、後から来た人にも同じ神業を求める状態になっている、というのがゲストの見立てです。
ゲスト そういう天才的なプレーをしてしまったせいで後に残らんかったから、後から来たやつ神業プレーしろってこと。
たとえば「前絞りの前に何をするか」という教科書の問題を、学生はプレディッピングだと覚えている。ところが現場では、やっている牧場とやっていない牧場があり、順番もやり方も教科書とは違う、とゲストは驚いたと話します。
プレディッピング 搾乳の前に、乳頭を消毒液に浸すなどして清潔にする作業。乳房炎などの感染を防ぐ目的で行われますが、実施の有無ややり方は牧場によって差があります。
ゲスト これをあの、申し訳ない皆さんに言いたい。あのマニュアルを作れではなくて、そういうことを言いたいわけじゃなくて。
「みんなは足で登った、次はロープウェイを」
ゲストは、育成をバスケの話にたとえます。若い世代ではゾーンディフェンスが禁止されているのは、個人の能力を伸ばすためだといいます。同じように、酪農も次の人を育てる仕組みが必要だという主張です。
その主張の要点は、ベテランが仕事をできすぎたぶん、ゼロの人がそこまで行くのがとても大変になっている、という点です。だから足で登った道に、後から来る人のためのロープウェイを作ろう、というたとえで語られます。
みんなは足で登ったか知らんけど、申し訳ない、ロープウェイ作ってっていう。 ── ゲスト
ゲストはさらに、複雑化が進んだ今では、10年前ならゼロから理解できた人でも、いまのゼロ地点からでは同じ場所にたどり着けなくなっているのではないか、と危機感を語ります。だからこそ、情報の引き継ぎを形に残すことが大事だという結論です。
川上さんは、以前は「パンくず」くらいは残していたと振り返ります。ただ、パンくずを置いても後ろがついてこなかった、という笑い話に落ち着きました。
川上 あれ、パンくず置いてきたのになんか後ろがついてこんぞ。
ゲスト リス食うてる。可愛いリスが食べてるやつや。
「入寮の場所」も車の停め方も引き継げていない
具体例として、検定の実務が挙がります。ゲストは検定員としても各牧場を回りますが、鉱塩などの入力すべき場所は牧場ごとに違い、新人はその場所すらわからないといいます。
入寮 文脈から、検定作業に関わる牛の情報の入力を指すやり取りとして語られています。牛の識別や検定番号などの管理が、牧場ごとに異なる場所・方法で行われている状況が話題になっています。
さらに、検定員が来ても検定番号がわからない、車をどこに停めればいいかもわからない、といった場面が続きます。ゲストは、こうしたことこそ本来は共有しておくべき「お客様情報」だと指摘します。
ゲスト でもバーン、バルクの近くにあれやろじゃなくて、新人というか、ほんまに何も知らんやつは、その場所すらマークして、ここはここでこうして。
ゲストは、車をどこに停めるかは口頭では伝わりにくく、地図で示すべきだと言います。フォークが通る場所に停めれば邪魔になるし、いつも1台のところに2台で行けば、その分だけ手間が増えるからです。
川上 検定員が毎回来るのに検定番号がわからないというね、これ牛の。誰こいつっていう。
「面倒くさいこと」は問題とつながっている
2人は、こうした引き継ぎを「面倒くさい」で片付けることの危うさを語ります。多くの人は「そんな面倒くさいことやってられるか」と感じるだろう、と川上さんも認めます。
しかしゲストは、その面倒くさいことは孤立した問題ではなく、いろいろな問題とつながっていると指摘します。面倒くさいことを片付けておけば、次の世代がもっと自由に、勝手にやってくれる可能性が広がる、というのです。
その面倒くさいこと片付けたら、次の次世代がもっと自由にやってくれるような可能性が広がってるのに、もうその時点でシャットダウンしちゃってる。 ── 川上
さらにゲストは、小さな決定を人に任せることの意味を語ります。上に立つ人が全部の責任を背負うのではなく、決定させてこなかった人にも小さな決定をさせることで、ゆくゆく楽になる部分がある、という考えです。
「自分にしかできない」を、あえて解体する
続いてゲストは、鉱塩の管理を例に、仕組み化の効果を語ります。鉱塩は位置と個数さえ図にできれば、素人でもまとめられる。それを何日に1回チェックするかを決めておけば、暑熱対策として新人に任せられるといいます。
鉱塩 牛が自由に舐められるよう置く、ミネラルを含んだ塩の塊。夏場のミネラル補給などに使われ、置いていないと牛は舐めることができません。
ゲスト 好きなだけペロられるの。(鉱塩は)ペロれるペロれる。公園だけはね。
ゲストは、こうした仕組みを作ることの本当の意味を、「自分にしかできない状態」を解体することだと捉えています。誰かが1日休んでも、代わりの人が「この感じなら3日はやれる」と言える状態にしておくべきだ、というのです。
もし誰かが助けたいと思ってても、その人の代わりには全然ならないね。 ── ゲスト
そのために、横について言いたくなることを全部書き出して、それをマニュアルにすればいい、とゲストは言います。音声でも動画でもよく、未知のことが起きた時だけ都度伝えればいい、という現実的な提案でした。
ゲスト もう横について言いたくなることは全部その書き出して、それをマニュアルとして書いたらいいと思うんですよ。
作業者が変えられる仕組みにする
ゲストは、仕組みは固定ではないとも言い添えます。最初のスタート地点として仕組みは絶対に用意してほしいが、結局いちばん改善点に気づくのは、実際に手を動かす作業者だからです。
ゲスト 作業者が一番気づくので、作業者が変えれるシステムっていうのも踏まえて、やっぱ動いてほしい。
ゲストは、自分の子ども時代のビラ配りを例に挙げます。父親から配り方をちらっと聞いていたので、兄弟だけでも自然に分担し、集合場所を決めて動けたのだといいます。最初の指示やマニュアルがあったからこそ、自分たちで回せたという実感です。
川上さんは、こうした型は他の牧場ではまだ難しいからこそ、うちでモデルとして示せたら、と応じます。できるところだけやってもらえればいい、という無理のない姿勢でした。
川上 他の牧場ではちょっとそれが難しいから、それの型というか、モデルみたいなのをうちで示せれたらなと思うけどね。
ヘルパーに「選ばれる時代」への準備
最後に2人は、時代の変化を確認します。かつては牧場側がヘルパーを選べましたが、今はヘルパー側が牧場を選ぶ時代になっている、というのがゲストの見立てです。
ゲスト 今後、今まで牧場側が選べてた部分が、ヘルパー側に選ばれる時代になってるので。
だからこそ、図を作り、やり方を用意しておくことが、誰が来ても回る牧場につながるとゲストは言います。指示待ちのヘルパーでも動けるように、一緒に考える準備を牧場側がしておく必要がある、というのです。
ゲストは、こうした仕組みづくりを手伝いたい人間だと自分を位置づけ、川上さんもぜひと応じて、休憩は終わります。この日はこのあと、小学生が体験に来る予定でした。
川上 さーて、今日は小学生が体験に来るので、じゃあこんなもんにしておきましょう。ありがとうございました。
まとめ
酪農にマニュアルがないのは、ベテランが仕事をこなしすぎて記憶と勘で処理してしまい、説明書が育たなかったから。だからこそ、まだ現場の勘が染みついていない新人だからこそ気づけることがあり、それを形に残していくことが、次の世代への「ロープウェイ」になる、という回でした。
- 酪農に説明書がないのは、ベテランが仕事をできすぎて、記憶と勘で残さなかったから
- ヘルパーは素人ではないぶん、現場のやり方に素朴な疑問を持てる人には出会いにくい
- 鉱塩の位置や車の停め方など、面倒に見える引き継ぎは、他の問題ともつながっている
- 仕組みは固定ではなく、いちばん気づく作業者が変えられる形にしておくとよい
- ヘルパーに選ばれる時代だからこそ、誰が来ても回る準備を牧場側が整える必要がある