R7年研修生と配信 #39
2026-01-18 配信|川上牧場 酪農データバンク
配信の全文
https://youtu.be/o6zca4H-Og8
牛舎で話した「酪農の収入と仕事の裏側」
牛舎の洗浄機が回り続ける音の横で、この配信を録りました。
収録日は1月8日。朝の搾乳が終わり、ミルクラインの洗浄が始まる時間帯です。
牛舎の空気はまだ少し冷たく、湯気の立つ牛の体温がほのかに温かさを作っています。
この日は研修生が来ていたので、普段の作業をしながら少し勉強の時間を取ることにしました。
テーマは決めていませんでした。
ただ、研修生からこんな質問が出ました。
「牧場って、牛乳を出荷するだけの仕事なんですか?」
この質問は、実はとても本質的だと思いました。
というのも、酪農という仕事は「牛を飼って牛乳を出荷する」というイメージが強いからです。
でも実際の現場では、それだけではありません。
今日は、その裏側の話を少し整理して書いてみようと思います。
牧場の仕事は「牛乳出荷だけ」ではない
酪農の基本はもちろん牛乳です。
牛を飼い、搾乳し、乳業メーカーに出荷する。それが本業です。
ただ、牧場経営という視点で見ると、それだけではない仕事もたくさんあります。
例えば私の場合、
・SNSでの情報発信
・音声配信
・noteでの記事発信
・企業案件のアドバイザー
・投資信託などの資産運用
・飼料の営業や調達
など、いくつかのことを並行してやっています。
「酪農家がそんなことを?」と思う人もいるかもしれませんが、実はこういう形になったのは最近のことです。
きっかけは酪農教育ファームでした
最初にSNSを始めた理由は、収益ではありませんでした。
酪農教育ファームという取り組みがあります。
牧場に来てもらい、牛や酪農を知ってもらう活動です。
その全国ネットワークの中で、
「SNSで発信していきましょう」
という流れがありました。
それで、
「じゃあやってみますか」
という軽い気持ちで始めたのが最初です。
最初は、酪農家同士のコミュニケーションでした。
「うちもそれやってます」
「そのイベントいいですね」
そんな感じのやり取りです。
ところが続けているうちに、少しずつフォロワーが増えていきました。
そこで初めて、
「情報発信って面白いな」
と思うようになりました。
音声配信から見えてきた「ファンビジネス」
本格的に収益を意識するようになったのは、ここ5〜6年くらいです。
音声配信を始めたのが大きかったと思います。
それまでは、酪農は「牛乳を出荷するビジネス」だと思っていました。
でも配信を続けていると、少し違う景色が見えてきました。
牧場のことを知ってくれる人が増え、
コメントをくれる人が増え、
応援してくれる人が増えていきました。
そこから、
「ファンビジネスという考え方もあるのかもしれない」
と思うようになりました。
もちろん、大きな収益ではありません。
正直に言えば、サラリーマンのお小遣い程度です。
それでも、酪農という仕事の可能性が少し広がった感覚はあります。
飼料を探すために100件メールした話
もう一つ、牧場経営で大きかった経験があります。
飼料の問題です。
この地域は餌が高い。
普通に買うと採算が合わないこともありました。
そこで考えました。
「地域にある資源を探さないといけない」
酒粕や醤油粕は有名ですが、
それ以外にも食品残渣を出す工場があります。
そこで私は、インターネットで食品工場を調べ、
手当たり次第にメールを送りました。
数で言えば100件くらいです。
営業ですね。完全に。
反応があったところに行き、
「何を作っているんですか?」
「牛の餌に使えませんか?」
そんな話をして回りました。
その中で繋がった企業や飼料会社があります。
そして面白いことに、
その繋がりの一部はSNS経由でした。
若い頃は投資やビジネスも勉強しました
酪農を始めるとき、私はあることを決めていました。
「収入はある程度決まる」
だから、
「お金を増やす方法は勉強しないといけない」
と思いました。
20代の頃は、
・アフィリエイト
・メルマガ
・デイトレード
・投資
いろいろ試しました。
失敗もたくさんあります。
アフィリエイトの教材セミナーなどは、1つ10万円するものもありました。
でも振り返ると、その経験が今の自分を作っている部分もあります。
全部が成功ではありませんでした。
むしろ失敗の方が多いです。
ただ、その経験がなければ、
今の考え方はなかったと思います。
SNS発信が企業案件につながることもある
最近では、ビザスクというサービスを通じて企業の相談に乗ることもあります。
これは、専門家と企業をマッチングするサービスです。
例えば、
「化粧品会社が農業に参入したい」
「第一次産業の現場の意見が聞きたい」
というときに、酪農家としてアドバイスをすることがあります。
オンラインで1時間相談に乗る、
という形の仕事です。
こういう仕事も、発信を続けてきたから繋がった部分があると思います。
地域社会と酪農の関係
もう一つ、酪農を続ける上で大事なことがあります。
地域です。
第一次産業は、地域の理解がないと続きません。
例えば、外国人が牧場に来たり、
タイミーでいろいろな人が働きに来たりすると、
「変なことをやっている」
と言われることもあります。
昔は、そういうことに腹を立てたこともあります。
でも、ある時思いました。
戦っても意味がないこともある。
感情で動くと、自分の努力が水の泡になることもある。
それ以来、少し考え方を変えました。
地域とどう付き合うか。
これは酪農にとって、とても重要なテーマだと思っています。
新規就農のハードル
研修生との話の中で、新規就農の話題も出ました。
正直に言うと、新規就農のハードルは高いです。
特に酪農は、
・初期投資が大きい
・技術が必要
・地域との関係が重要
という特徴があります。
もし可能なら、
「横にプロがついてくれる制度」
があるといいと思っています。
スポーツで言えばパーソナルトレーナーのようなものです。
最初から全部一人でやるのは、かなり大変です。
私が今考えていること
ここまで書いてきましたが、
酪農の仕事は牛舎の中だけでは完結しません。
情報発信、営業、地域、投資、コミュニティ。
いろいろな要素が絡み合っています。
ただ、これは酪農だけの話ではないと思っています。
多くの仕事が、
「一つの収入源だけではない構造」
に変わりつつあります。
その中で、私は今こう考えています。
酪農という仕事を中心に置きながら、
周りにいくつかの小さな活動を作る。
それが、長く続ける一つの形なのかもしれません。
まだ答えは出ていません。
これからも牛舎で仕事をしながら、少しずつ考えていこうと思います。
もしこの記事を読んで、
「酪農の仕事ってこんな側面もあるんだ」
と思ってもらえたら嬉しいです。
https://note.com/kawakamifarm/membership/join?preview=true
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https://note.com/kawakamifarm/n/n2c2f4763349b
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