日曜日のコメント返し!「牛をどこまで利用?」工業化する畜産と動物の尊厳を考える

2026-08-09 配信|川上牧場 酪農データバンク

この回の要旨

日曜のコメント返し回では、牛の幸せの定義から工業化する酪農まで、答えの出にくいテーマがリスナーの声とともに語られました。川上さんは断定を避け、努力を続けることと、みんなで一緒に考えることの大切さを繰り返しています。

この回の要点

  • 地元の牛乳を選ぶと運賃を抑えられ、酪農家の手取りが増えるというメリットがある。
  • 放牧の有無だけでは虐待かどうかは決まらず、牛が快適な環境を選べるかが問われる。
  • 幸せの定義は牛それぞれで、苦痛を減らす努力を日々続けるしかないと語られた。
  • 衛生管理の観点から、今は牛舎に猫を置くことや猫に牛乳をあげることは避けられている。
  • イスラエルの機械化された酪農は、工業化と動物の尊厳をどう考えるかを問いかけている。

配信の全文(podyの記事より)

お盆休みとご当地ソフトの話から

この回は、お盆休みを終えて久しぶりの配信となった日曜日のコメント返しです。

川上さんは名古屋の家族のもとを訪ね、子どもが好きなジブリパークに出かけたそうです。

川上 半端じゃなく暑かったです。もう本当に長距離めちゃめちゃ歩きましたしね。でも楽しかったですね。

園内ではヤマムラ乳業{要確認: ヤマムラ乳業}の瓶牛乳を飲んだと話されています。

道中では各地のご当地ソフトクリームも食べたそうです。桃や蜂蜜、宇治抹茶など、いろいろ味わったと振り返っています。

なかでも山口で食べた米粉のソフトクリームが印象に残ったようです。

川上 もっちりした感じの、もったりとしたような、そんなソフトクリームでしたね。美味しくいただきました。

地元の牛乳をすすめる理由

最初のコメントはYouTubeのもふもふさんから。低脂肪乳ではなく地元の牛乳そのものを選んでいる、という内容でした。

質問(もふもふさん) 牛乳は飲みます。低脂肪乳ではなく、地元の牛乳そのものを選んでいます。

川上さんは、地元の牛乳が一番美味しいと日頃から伝えています。牛乳は農産物なので鮮度が命だという考えです。

北海道の牛乳は名産として知られますが、それは流通の努力で美味しさが保たれているからだと説明します。

一方で、地元の牛乳を飲むと運賃を抑えられ、その分だけ酪農家の手取りが増えるというメリットがあると話されています。

放牧しないのは虐待?牛の幸せをどう考えるか

続いてはメイプルさんから、放牧しない酪農は虐待なのかというテーマへのコメントです。

従業員時代に放牧牧場で働いていた経験から、暑い時や雨の時は牛が全然外に出なかったと伝えています。

質問(メイプルさん) 放牧しない酪農イコール虐待ではなくて、外に出たいか牛舎にいたいか、牛が自由に選べる環境がアニマルウェルフェアだと思います。横たわって熟睡している牛を見たら、この子は今幸せなんだなあと感じますね。

アニマルウェルフェア 家畜が痛みや苦痛、恐怖などをできるだけ感じずに暮らせる状態を目指す考え方です。牛が自分で快適な環境を選べるかどうかも重視されます。

川上さんも、幸せの定義は牛それぞれだと応じます。雨でも外に出たがる牛や、暑くても外へ行きたがる牛もいるからです。

川上 ボーッとしてて、なんか舌で遊んでるやつも、こいつ何考えてんだと思って。幸せそうにしてるなって思うこともありますし。幸せの定義は本当に人それぞれ牛それぞれだなと思いますね。

アニマルウェルフェア認証も出てきていますが、認証を取れば牛が幸せかというと、そこはよくわからないと率直に語っています。

苦痛とか痛みをなくせるように飼う努力を日々続けるのが、大事なんじゃないかなと。答えなんてわからないです。やり続けるしかないなと思ってますね。 ── 川上

猫と牛乳、牛舎猫の今と昔

InstagramのクイーンファームさんとTikTokのはちさんからは、犬や猫に牛乳をあげてよいのかという投稿にコメントが届きました。

質問(クイーンファームさん) うちの猫ちゃんズは飲んでいます。

質問(はちさん) 今の家猫に牛乳をあげたことがない。昔、牛舎にいた猫たちは水代わりに飲んでましたね。

川上さんは、猫も個体ごとに違うと話します。乳糖不耐症の猫もいれば、喜んで飲む猫もいるからです。

かつては牛舎に猫がいるのが当たり前でした。ネズミを捕ってもらうことで病原体が広がるのを防ぐ、持ちつ持たれつの関係だったといいます。

ただ今は衛生管理の観点から、牛舎に猫を置くことも、牛舎の猫に牛乳をあげることも避けられています。牛乳でお腹を壊す猫もいるためです。

川上 もうあるあるの光景でしたね。僕も二十年ぐらい前に酪農ヘルパーやってましたけども、どこの牛舎行っても猫はいましたよ、本当に。

イスラエルの酪農から考える工業化と動物の尊厳

最後は、メルマガ登録者から届いた長文コメントです。ノートのメンバーシップに書いたイスラエルの酪農記事への感想でした。

質問(匿名さん) 読む人によっては工業化アレルギーが起こりそうなテーマでした。私は苦手でもなく嫌いでもないです。動物の尊厳をどこまで許容できるのか、今は自分の中に答えはないです。楽しむための殺生は避けたいというぼんやりとした気持ちがあります。

川上さんは、まずイスラエルという国の背景を説明します。周辺国との歴史的な事情から、国が食料自給率を上げる政策を強く進めているそうです。

年間の平均気温が三十五度ほどで、四十度を超えるのも当たり前という過酷な環境で、日本以上に牛乳を搾っている特殊な国だと話されています。

食料自給率 国内で消費する食料を、どれだけ自国で生産できているかを示す割合です。輸入に頼らず自国で賄える度合いが高いほど、自給率は高くなります。

さらに、国民が一定の年齢になると国に役立つ人材づくりが行われる仕組みがあり、農業やITなど得意分野に応じた教育がなされると紹介しています。

牛の管理は徹底的に機械化されているそうです。首にデバイスやカメラをつけて個体管理し、暑さ対策も飼料設計も自動化されています。

こうした光景が、工業化へのアレルギーを感じさせるのではないか、というのがコメントの背景だと川上さんは受け止めています。

そのうえで、川上さん自身は否定的ではないと語ります。牛が快適に暮らせないと能力を発揮できないという考えを突き詰めると、イスラエルのような形になるからです。

一方で、それに戸惑いや苦手意識を持つ人もいるだろうとも述べています。

日本も人口減少で担い手が減っていくため、こうした技術を使わなければ生産性を維持できなくなり、近い形になっていくのではと個人的な見通しを示しています。

その時に皆さんがどういう牛乳を飲みたいのかっていうところですよね。また一緒に、これね、考えていけたらいいかなと思います。 ── 川上

まとめ

日曜のコメント返し回では、牛の幸せの定義から工業化する酪農まで、答えの出にくいテーマがリスナーの声とともに語られました。川上さんは断定を避け、努力を続けることと、みんなで一緒に考えることの大切さを繰り返しています。

  • 地元の牛乳を選ぶと運賃を抑えられ、酪農家の手取りが増えるというメリットがある。
  • 放牧の有無だけでは虐待かどうかは決まらず、牛が快適な環境を選べるかが問われる。
  • 幸せの定義は牛それぞれで、苦痛を減らす努力を日々続けるしかないと語られた。
  • 衛生管理の観点から、今は牛舎に猫を置くことや猫に牛乳をあげることは避けられている。
  • イスラエルの機械化された酪農は、工業化と動物の尊厳をどう考えるかを問いかけている。