グラスフェッドとグレインフェッドで牛乳の味と成分はどう変わる?

2025-10-30 配信|川上牧場 酪農データバンク

配信の全文

https://open.spotify.com/episode/4Qy5AwRmBDYde8ywWBFDHV?si=5hJYhV2DQBiT5WQeTiFchQ

グラスフェッドとグレインフェッドで牛乳の味と成分はどう変わる?

10月31日、金曜日。

朝から雨が降り続き、最高気温は16度。ぐっと冷え込み、季節が一段進んだことを実感する一日です。本来であれば堆肥作業に入りたいところでしたが、この雨では難しく、今日は毎週恒例の整体の日。仕事を一通り終わらせてから向かう予定でした。

いつもは牛舎から配信しているのですが、この日は自動餌やり機の修理が入っており、業者さんが牛舎にいらっしゃいました。そのため、今回は軽トラックの車内での収録です。牛の鳴き声が聞こえず、音質もいつもと違う。リップ音が気になる……そんな細かな違和感も含めて、「現場からの配信」らしさかもしれません。

そんな環境でも、いつも通り牛乳を片手に、10〜15分ほどお話ししていきます。

今日のテーマは、リスナーさんからいただいた少し専門的で、でもとても本質的な質問です。

牛乳で乾杯、そしてお知らせから

まずは、いつも通り牛乳で乾杯です。

グラスだけは忘れずに持ってきました。

乾杯。

いただきます。

今日も牛乳を飲んでいただき、ありがとうございます。

ここで簡単にお知らせをさせてください。

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リスナーさんからの質問

「グラスフェッドとグレインフェッドで、牛乳の成分や味は変わるんですか?」

今回の質問は、配信アプリ「スプーン」から、シュートレンさんよりいただきました。

グラスフェッドとグレインフェッドで牛乳の成分って変わると思うのですが、

グレインフェッドの方が乳脂肪が多くなるのでしょうか?

とても良い質問です。

少し専門的な言葉が出てきますが、できるだけ分かりやすく整理してお話ししていきます。

グラスフェッドとグレインフェッドの違いとは?

まず、言葉の整理からです。

グラスフェッド(Grass-fed)

牧草中心の飼育方法です。放牧や牧草サイレージを主体とし、牛は草を主食として育ちます。

グレインフェッド(Grain-fed)

穀物中心の飼育方法です。トウモロコシや配合飼料(穀類)が多く使われます。

「草か、穀物か」という違いですが、これは良い・悪いの話ではありません。

目的と地域条件によって選ばれている、というのが大前提です。

グラスフェッドの特徴

自然で健康的、でも乳量は控えめ

グラスフェッドの牛は、イネ科牧草やマメ科牧草を中心に食べて育ちます。

牧草は繊維が多く、牛の胃(ルーメン)の動きがとても健全になります。

特徴としてよく挙げられるのが、脂肪の「質」です。

・オメガ3脂肪酸が多い

・共役リノール酸(CLA)が多い

そのため、グラスフェッドの牛乳は

脂肪の質が良い牛乳

と表現されることが多いです。

味の傾向としては、

・すっきり

・軽い口当たり

・牧草由来の青草のような香り

一方で、エネルギー量は穀物より低いため、

・乳量は控えめ

・乳脂肪率もやや低くなる傾向

日本のように気温差が大きく、梅雨や高湿度のある地域では、年間を通して安定した乳量を出すのはやや難しい飼育方法でもあります。

グレインフェッドの特徴

エネルギー効率が高く、濃厚なミルク

グレインフェッドでは、トウモロコシサイレージや配合飼料が多く使われます。

トウモロコシに含まれるデンプンは、牛の体内でエネルギー源に変換されます。

その結果、

・乳量が増えやすい

・乳脂肪率が高くなりやすい

いわば、こってり系の牛乳です。

甘みが強く、濃厚に感じる牛乳になる傾向があります。

ただし、注意点もあります。

穀物が多すぎると、ルーメン内が酸性に傾き、「ルーメンアシドーシス」という状態を引き起こすことがあります。

そのため、草と穀物のバランス管理が非常に重要になります。

牛乳の味と成分の違いまとめ

あくまで「傾向」ですが、整理すると以下のようになります。

・乳脂肪率

グラスフェッド:やや低め

グレインフェッド:やや高め

・オメガ3脂肪酸・CLA

グラスフェッド:多い

グレインフェッド:少なめ

・味・風味

グラスフェッド:すっきり、草の香り

グレインフェッド:濃厚、甘みが強い

ただし、これは必ずしも100%当てはまるわけではありません。

牛の個体差、牧草の質、飼料設計、管理技術によっても変わります。

どちらが「正解」なのか?

ここが一番大事なポイントです。

どちらが上、どちらが正しい、という話ではありません。

・グラスフェッドは、自然環境や動物福祉の観点で評価される

・グレインフェッドは、安定した乳量と品質を確保しやすい

日本では、多くの牧場が

グラスとグレインを組み合わせたハイブリッド型

で飼育しています。

世界的には、グラスフェッド牛乳が「プレミアムミルク」として人気ですが、実はこれは気候や土地条件に大きく左右されます。

梅雨があり、湿度の高い日本では、通年放牧は簡単ではありません。

技術の進化で広がる可能性

最近では、AIやIoTを活用して、

・採食量

・反芻時間

・乳成分

をリアルタイムで分析できる時代になってきました。

これにより、個体ごとに最適な飼料バランスを調整することも可能になりつつあります。

グラスフェッドの良さと、グレインフェッドの良さ。

その両立が、現実的な形で見えてきているのです。

いろいろな牛乳を、ぜひ飲み比べてみてください

最近では、コストコなどでも有機・グラスフェッドの牛乳が手に入りやすくなっています。

スーパーやコンビニで見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。

飲み比べてみると、

「確かに違うな」

と感じる方も多いと思います。

いろいろな牛乳があり、それぞれに特徴がある。

それこそが、牛乳の奥深さであり、面白さです。

おわりに

今日は、グラスフェッドとグレインフェッドについてお話ししました。

・グラスフェッド:脂肪の質が良く、爽やかな風味

・グレインフェッド:乳量が多く、濃厚な味わい

・どちらも目的と地域、牛の健康に合わせて選ばれている

つまり、どちらも正解です。

こんな専門的で「グッとくる質問」をいただけるのは、本当に嬉しいことです。

これからも、牛乳や酪農について気になることがあれば、ぜひ質問してください。

明日から三連休という方も多いでしょうか。

もしお天気がいまひとつで、家でゆっくり過ごす時間があれば、川上牧場のKindle本も思い出していただけると嬉しいです。Kindle Unlimitedなら読み放題です。

それでは今日はこの辺で。

お仕事の方、学校の方、いってらっしゃい。

今日も、牛乳を飲んでくださいね。

バイバイ。

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