日曜恒例コメント返し!Instagram3万回再生の反響とは?

2026-01-10 配信|川上牧場 酪農データバンク

配信の全文

https://youtu.be/0jcazpeJsYg

朝、牛舎のカーテンがバタバタと音を立てていました。

風速は10メートル近く。雪が横から吹きつけるような荒れた天気です。島根県出雲市では、冬になるとこういう日がたまにあります。牛舎の外に出ると、体感温度はかなり低く感じます。

最高気温は3度。雪と曇りの予報でした。

搾乳を終え、牛の様子を確認してからスマートフォンを開くと、Instagramの通知が増えていました。どうやら先日投稿した子牛の出産動画が、予想以上に見られているようでした。

確認してみると、Instagramで約3万回再生。TikTokやYouTubeでも、普段より多くの方に見てもらえていました。

私は普段、酪農の現場をSNSで発信しています。ただ、今回のように出産の動画がここまで反響をいただくことは、正直あまり多くありません。

今日は、その動画についたコメントを読みながら、酪農家として感じたことを書いてみようと思います。

子牛の出産動画が3万回再生された理由

1月3日、川上牧場で子牛が生まれました。

酪農をしていると、出産は決して珍しい出来事ではありません。うちの場合、親牛はだいたい40頭から50頭ほどいます。その規模だと、週に1回くらいのペースで子牛が生まれます。

酪農家からすると「いつもの日常」です。

ただ、SNSに投稿すると、多くの人にとってはなかなか見る機会のない瞬間のようです。

今回の動画では、いわゆる逆子(さかご)出産の場面が映っています。牛の自然分娩は通常、子牛の頭から出てきます。しかし今回は後ろ足から出てくる形でした。

この場合、放置すると危険なケースがあります。

理由はシンプルで、へその緒が先に切れてしまうからです。

へその緒が切れると、子牛は自分で呼吸を始めます。しかし頭がまだ母牛の体内にある状態だと、羊水を吸い込んでしまうことがあります。

それを防ぐために、酪農家は素早く子牛を引き出す必要があります。

動画の中で私が急いでいるように見えるのは、そういう理由があります。

https://www.instagram.com/reel/DTQBQslElOv/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

酪農家から見た「出産」という日常

動画を見た方からは、こんなコメントをいただきました。

「決定的瞬間ですね」

「すごい瞬間を見ました」

「大変そうですね」

こうした感想は、とても自然だと思います。

ただ、酪農家の感覚からすると、少しだけ違う感覚があります。

それは、出産は特別なイベントというより日常の仕事の一部だということです。

もちろん命が生まれる瞬間なので、大切な出来事ではあります。しかし酪農家にとっては、そのあとも続く日々の管理のほうが長い仕事になります。

子牛は生まれてからが本番です。

哺乳の管理、体調の確認、病気の予防。

牛は人間よりずっと成長が早いですが、それでも何年もかけて育てていきます。

そう考えると、出産は長い酪農の時間の中の一つの通過点とも言えます。

SNSに集まる、さまざまな反応

今回の動画には、いろいろなコメントが寄せられました。

「無事に生まれてよかったですね」

「お母さん牛も頑張りましたね」

こういうコメントは、酪農家としてとても嬉しいものです。

一方で、動物利用に対して強い意見を持つ方からのコメントもありました。

例えば、

「牛乳は牛の血液だ」

というようなコメントです。

こういう意見があることも、私は理解しています。

食べ物や動物に対する考え方は、人それぞれです。ヴィーガンの方の考え方も、ひとつの価値観です。

ただ、酪農家の現場から見ると、少し違う視点もあります。

牛乳は血液から作られる栄養をもとに生成されます。これは人間の母乳も同じです。生物として自然な仕組みです。

もちろん、この説明ですべての価値観が一致するとは思っていません。

ただ、少なくとも酪農の現場では、牛の健康を守ることが最優先の仕事です。そこは、あまり誤解されないといいなと思っています。

地震や災害のとき、酪農家同士が助け合う理由

今回のコメントの中で、もう一つ印象に残ったのは、地震を心配してくださったメッセージでした。

島根県東部で地震があり、SNSで心配のコメントをいただきました。

酪農は、牛が生きている限り止めることができない仕事です。地震でも台風でも、牛の世話は続きます。

だからこそ、酪農家同士のつながりはとても大切です。

もし牛舎が壊れたり、設備が止まったりしたとき、頼れるのは同じ仕事をしている仲間です。

東日本大震災のとき、SNSでつながっていた酪農家の方から多くの情報をもらいました。あの経験は、私の中で大きな財産になっています。

SNSは炎上の話題も多いですが、こういう横のつながりを作れる場所でもあります。

SNSと酪農の相性について

今回の動画が伸びた理由は、正直なところよく分かっていません。

正月だったからかもしれませんし、たまたまタイミングが良かったのかもしれません。

ただ一つ感じたのは、酪農の現場はまだまだ知られていないことが多いということです。

牛乳は毎日のように飲まれていますが、牛がどんなふうに生まれ、育てられているのかを知る機会はあまりありません。

私はSNSを通して、その一部を伝えています。

酪農を良く見せたいというより、ただ現場をそのまま見てもらうという感覚に近いです。

その中で興味を持ってもらえたり、牛乳を飲んでくれる人が増えたら嬉しい。今はそんな気持ちで続けています。

今回の反響を見て思ったこと

Instagramの再生数は約3万回。TikTokは約3千回、YouTubeは約2千回でした。

数字だけ見ると小さなものかもしれませんが、酪農家の一人として発信している身からすると、多くの人に見てもらえたと感じています。

特に印象的だったのは、出産の動画をきっかけに、音声配信やnoteの記事を読んでくださる方が増えたことです。

SNSは一つの入口なのだと思います。

そこから酪農という仕事を少し知ってもらえたら、それだけでも意味があるのではないかと感じています。

私が今考えていること

酪農は、毎日の繰り返しの仕事です。

牛の世話をして、餌を作り、搾乳をする。

その中で、子牛が生まれたり、牛が成長したりします。

SNSで発信していると、たまに「すごい瞬間ですね」と言われることがあります。

でも、酪農家から見ると、その瞬間も含めてすべてが日常です。

だからこそ、その日常を少しずつ伝えていくことが、酪農の理解につながるのではないかと思っています。

今回の動画を見てくださった方の中には、初めて牛の出産を見た方もいるかもしれません。

もしそこから、牛乳や酪農に少しでも興味を持っていただけたなら、それだけで発信している意味はあったのかなと思っています。

私は今、そう考えています。

https://note.com/kawakamifarm/membership/join?preview=true

https://note.com/kawakamifarm/n/ndf5ea5a0bd27

https://note.com/kawakamifarm/n/n2c2f4763349b

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