R7年研修生と配信④

2025-08-18 配信|川上牧場 酪農データバンク

配信の全文

https://open.spotify.com/episode/4EXTSeOM6A80Z0n9yZZbiy?si=D66_k51bSwmt5HhRu1VRNw

R7年研修生と配信④

皆さんこんにちは、川上牧場です。

本記事は、日々の音声配信でも好評いただいている「研修生とのトーク」シリーズ第4弾。リアルな酪農現場での学びと、その中で飛び出すちょっと鋭い疑問、笑いながらも真剣な会話を通して、酪農の課題と可能性を掘り下げていきます。

今回は、乳脂肪分率の話から始まり、話題はチョコレートミルク、六次産業化、OEM、そして農業界における人材の課題へと広がりました。日常の仕事の中で見えてくるリアルな課題と、その向こうに見える未来への展望。ぜひ最後まで読んでみてください。

■ 乳脂肪分4%の努力と報われなさ

配信冒頭では乳脂肪分率4%という好成績について話題に。これは牛乳品質での指標のひとつで、一定の質を保った乳牛を持ち続けるうえで重要な数値です。

「この努力が報われるぐらいの奨励金が欲しいです」

と語る川上の一言に、現場の声がにじみ出ます。酪農家にとっては、数値だけでは語れない日々の積み重ねがあり、その努力に対して“微微たる奨励金”だけでは報われない現状があるのです。

酪農という仕事は、機械でもロボットでも置き換えられない、生き物との共生の仕事です。そこにあるのは「見えないコスト」。だからこそ、数値が良くても、「じゃあ儲かったか?」とは簡単には言えないんですね。

■ チョコレートミルクが日本に少ない理由

研修生からは、こんな面白い話も飛び出しました。

「アメリカではチョコレートミルクが普通に売ってるのに、日本にはない。なんで?」

実はこれ、現場的にも理由ははっきりしています。

・チョコレートの原料費が高い

・加工時に配管が詰まりやすく、衛生・清掃面で難しい

・小ロット対応が難しい(機械設定・ロス大)

特に、配管へのこびりつき問題は深刻。実際に抹茶オレを作った際、配管が詰まった話が紹介されました。これがチョコレートミルクに対する技術的ハードルを物語っています。

ただし。

「それでもやりたい!」「じゃあ新しい機械を作ればいい!」

という情熱は、研修生からしっかり伝わってきました。なにより、インバウンド向けの市場として「チョコレートミルク」はまだ未開拓。ブルーオーシャンです。

■ 日本で六次産業化は向いている?

スタンドFMのリスナー「せいさん」からの質問で、六次産業化の話題に。

「一次産業×二次産業×三次産業=六次産業」

これは農家が生産・加工・販売すべてを担うスタイルで、理想的ではありますが……

「正直、自分には向いてないと思います。クレームや発送対応など、牛に関係ない業務が多すぎて」

川上自身が感じたのは、「情熱をもって続けるには、余計な業務の負担が重すぎる」ということ。商品に命を吹き込むには、覚悟と体力と人手が必要なんです。

ただし、一方で研修生はこうも語ります。

「分業すればできる。販売は別の人に任せるとか、仕組みづくりが大事」

これは非常に重要な視点。すべてを一人で抱え込むのではなく、信頼できるチームを作っていくこと。これが“持続可能な六次産業”の一歩でしょう。

■ OEMという選択肢と、外国人ニーズ

今、川上牧場では「OEM的な活動」も始まっています。

例えば、出雲に多く住むブラジル人の方々が「本国のチーズがないから、自分たちで作りたい」と、牛乳を買いに来てくれる事例が紹介されました。

これ、ものすごく可能性があります。

なぜなら、

・明確なニーズ(=ブラジルの味が恋しい)

・既存製品では満たせない

・コミュニティを軸に需要が発生する

という条件がすでに揃っているからです。

つまり、酪農家がすべてを担うのではなく「牛乳の供給」と「一緒に地域で暮らす人たちのニーズ」をマッチングさせることができれば、小さなブルーオーシャンが生まれるんです。

■ 人がいない…は本当か?

農業業界では「担い手がいない」と言われ続けています。

でも川上はこう言いました。

「担い手がいないんじゃない。好みの人がいないだけ」

ズバリ核心を突いたこの言葉。確かに農家さんの多くは

「自分の考えを理解してくれる人」「家族のような関係性でやれる人」

を探している。でも、そういう人ばかりじゃないし、相性が合う合わないはどうしても出ます。

川上の考えは明快です。

「誰が来てもOKという器を自分が持てばいい」

人が足りないというよりも、「受け入れる側のマインドチェンジ」が必要なのかもしれません。実際、IT業界でも同じ話があります。「人がいない」のではなく、「求めるレベルが高すぎる」という現実。

だからこそ、小さな成功体験を共有し、仲間を作っていく。それが未来を育てる一歩になります。

■ チョコレートミルクで未来を拓く!?

今回の配信でのハイライトは、やはりチョコレートミルクの話でしょう。

研修生の「チョコレートミルク愛」も、友人とのエピソードも含めて、夢があります。そして何より、チョコレートミルクが単なる「商品」ではなく、「文化」や「アイデンティティ」として語られていたのが印象的でした。

「友達がアメリカから日本に来て、日本語を勉強しながら、日本でチョコレートミルクを作って売りたいと考えている」

これはすでにストーリーです。そして、インバウンドが増え、外国人観光客が日本に滞在する時間も増えている今こそ、彼らの“母国の味”を再現することは新しい需要を生み出す鍵となるはずです。

■ まとめ:誰かと一緒にやる酪農

川上牧場の今を一言で表すなら、「一人ではやらない酪農」かもしれません。

・技術のことを語る研修生

・商品の流通を調べる海外の友人

・コメントで質問をくれるリスナー

・OEMを提案してくれる地域の人々

このように、“関わる人”が少しずつ増えてきています。農業は一人で完結しない仕事。だからこそ、「チームで生きる」「誰かと分かち合う」という発想が大切になってきます。

今回の配信は、日々の笑いあり、悩みありのやり取りの中で、「夢は具体的なアクションからしか生まれない」というメッセージを感じる回となりました。

読んでくださった皆さんも、自分の周りにある“夢のタネ”を見つけてみてください。

そして、コメント・シェア・感想など、お気軽にどうぞ。次のエピソードでまたお会いしましょう!

https://note.com/kawakamifarm/membership/boards

https://note.com/kawakamifarm/n/n2c2f4763349b

https://note.com/kawakamifarm/n/n787b52334c89

🐄📚『川上牧場研修〜牛群検定の見方編〜』Kindleで絶賛発売中!📘

全ての酪農に興味がある方へ🐮数字で牛の声を聞こう!👇

https://www.amazon.co.jp/dp/B0FBQWGSK6

https://lit.link/kawakamifarm