【牛乳が消える⁉️】激震の裏側…酪農家たちの今後はどうなる?🥛⚠️
2025-02-25 配信|川上牧場 酪農データバンク
この回の要旨
今回は、リスナーの質問をきっかけに、飛騨牛乳が消える背景と、そのとき酪農家がどうなるのかを酪農家の目線で整理しました。ブランドの終わりと酪農の存続は、必ずしも同じではないというのが大きなポイントです。
この回の要点
- 飛騨牛乳は組合の解散にともない、2025年3月で生産終了となる
- 背景には工場建設費の高騰、酪農家の減少、飼料高騰などが重なっている
- 乳業がなくなっても、出荷先の切り替えで酪農家自体は残る仕組みがある
- 島根でも施設の老朽化問題があり、各地で存続の判断を迫られる時期に来ている
配信の全文(podyの記事より)
車の中から配信?いつもと違う今日の牧場だより
この日の配信は、いつもの牛舎からではなく、帰宅中の車の中から収録されています。車検に出していた車を夕方までに取りに行く必要があったためだそうです。
川上 ちょっと今日はですね、牛舎ではなく、車検に出してる車を7時までに取りに来てほしいということだったんで、帰宅中の車内で収録させてもらってます。
天気予報は快晴で、最高気温は9度の見込み。久しぶりに寒波も過ぎ去って、いい天気になりそうだと話されています。
この日の予定は、立てなくなった牛の廃用手続きや、毎月行っている液体窒素の補充、税理士さんへの書類提出など、外回りでバタバタする一日になりそうとのことです。
廃用 乳が出にくくなったり健康上の理由で搾乳を続けられなくなった牛を、酪農の現場から外すことを指します。飼養できなくなった牛の一般的な手続きです。
今日のお便り「飛騨牛乳が消えるとは?」
今回のメインは、リスナーから届いた質問への回答です。スプーンというアプリを通して寄せられたコメントがきっかけになっています。
質問(モグラ利き仙さん) 飛騨牛乳が消えるとは?牛屋が消えるんですか?
飛騨牛乳は、岐阜県を代表するブランド牛乳として、多くの人に親しまれてきた牛乳です。西日本ではあまり見かけないものの、地元では長く愛されてきました。
・地元の学校給食に使われ、子どもたちが小さい頃から飲んでいた
・飛騨の喫茶店やホテルのモーニングで提供されていた
・温泉や銭湯でお風呂上がりの一杯として定番だった
そんな飛騨牛乳が、2025年3月をもって生産終了になるというニュースが出て、驚いた人も多かったようです。
なぜ飛騨牛乳は消えてしまうのか
飛騨牛乳がなくなる直接の理由は、比奈酪農業協同組合が解散することです。川上さんは、その背景にいくつかの問題が重なっていると説明します。
1つは、工場建設の費用の高騰です。建設費が当初の倍ほどにふくらみ、借金が大きくなってしまったといいます。
もう1つは、酪農家の減少です。かつて30件ほどあった農家が、今は11件ほどしか残っていない状況になり、工場を大きくしたのに牛乳の供給量が安定しなくなってしまいました。
さらに、夏場の暑さによる生産量の落ち込みや、海外からの輸入飼料の値上がりによる生産コストの増加も、経営を厳しくした要因として挙げられています。
乳業会社は牛肉の販売部門や飼料部門なども持っていて、そうした部門で赤字を補填していましたが、その補填ができなくなってきたことも大きかったといいます。
こうした事情が重なり、結果として飛騨酪農は解散を決断し、飛騨牛乳のブランドも消えることになった、というのが今回の流れです。
飛騨牛乳が消えるまでの流れ
工場建設費の高騰
当初の倍ほどの費用がかかり借金がふくらむ
↓
酪農家の減少
30件ほどから11件ほどに減り供給量が不安定に
↓
コストの増加
夏場の暑さや輸入飼料の値上がりが経営を圧迫
↓
補填の限界
他部門での赤字補填ができなくなる
↓
組合の解散
飛騨酪農が解散しブランドも消滅へ
ブランドが消えても酪農家は残る、その仕組み
では、飛騨牛乳がなくなると、地元の酪農家さんも消えてしまうのでしょうか。ここが今回いちばん大事なポイントです。
川上さんによると、なくなるのは乳業の会社であって、酪農家がなくなるわけではないそうです。
川上 この乳業はなくなるんですけども、酪農家さんがなくなることではないんですよね。
牛乳は、全国的に流通を担っている団体があり、その団体が出荷先を別のメーカーに変更することで、牛乳の流れを動かせる仕組みになっています。
たとえば、ある酪農家は明治に出荷し、別の酪農家は飛騨牛乳に出荷していたとします。飛騨牛乳がなくなれば、その酪農家も同じ団体を通じて明治へ出荷するように切り替えられる、というイメージです。
飛騨牛乳としての名前は消えても、飛騨の酪農自体はなくならない。 ── 川上
この切り替えには、かなりの話し合いが進められたはずだと川上さんは見ています。ブランドは消えても、牛は搾られ続け、牛乳は流通していくというわけです。
島根でも起きた老朽化問題と、これからの酪農
川上さん自身も、似たような話し合いを経験しています。島根県では、島根中らくという乳業会社に出荷しているそうです。
10年ほど前、施設の老朽化をどうするかという話し合いに参加したことがあり、そのときは酪農家がお金を出し合って工場を修繕し、存続させたといいます。
ただ、それは根本的な解決にはなっていないため、いずれ同じ問題がまた出てくるだろうとも話されています。
川上さんは、こうした状況はどこでもある話だと語ります。酪農の景気がよかった時代に組合が集まってブランドを立ち上げ、売っていこうとした流れが、およそ60年前にあったといいます。
その頃に建てられた施設が各地でどんどん老朽化し、続けるか辞めるかを決断する時期に来ているのではないか、というのが川上さんの見方です。
車内配信のおわりと、ラジオで流れた牛乳の曲
質問への回答を終えて、車内での配信は締めに入ります。通りがかる人にちょっと変な目で見られながらも、こんな配信もいいのでは、と楽しそうに話されています。
最後に、FM北海道のラジオで「もう牛乳で乾杯」という曲が地上波で流れたことも紹介されています。川上牧場も一言登場するところがあるそうで、radikoで聴けるとのことです。
川上 お仕事の方、学校の方、行ってらっしゃい。みんな牛乳飲んでね。バイバーイ。
まとめ
今回は、リスナーの質問をきっかけに、飛騨牛乳が消える背景と、そのとき酪農家がどうなるのかを酪農家の目線で整理しました。ブランドの終わりと酪農の存続は、必ずしも同じではないというのが大きなポイントです。
- 飛騨牛乳は組合の解散にともない、2025年3月で生産終了となる
- 背景には工場建設費の高騰、酪農家の減少、飼料高騰などが重なっている
- 乳業がなくなっても、出荷先の切り替えで酪農家自体は残る仕組みがある
- 島根でも施設の老朽化問題があり、各地で存続の判断を迫られる時期に来ている