農業者×結婚=難しい?農家×マッチングサービスとは?!
2025-02-14 配信|川上牧場 酪農データバンク
この回の要旨
新規就農と婚活というお便りをきっかけに、農家専門のマッチングサービスの充実ぶりと、婿として就農した川上さん自身のリアルな考えが語られた回でした。便利なサービスの紹介にとどまらず、農業と家庭の距離の取り方まで踏み込んだのが印象的です。
この回の要点
- 農業者向けには、ライタイ・アグリマッチ・イナカ婚といったマッチングサービスや、棚田婚などのイベント、自治体の補助まで幅広い支援がある
- 川上さんは「農業に興味がある人とマッチング」という前提に、仕事とパートナー選びがセットになることへの違和感を持っている
- 婿として就農した経験から、夫婦で農業を家庭に持ち込まないことが大切だと考えている
- 結論は、まず家業の利益を上げて余裕のある農業者を目指すこと。その余裕が出会いにつながる
配信の全文(podyの記事より)
バレンタインの朝の牧場から、今日の一日をゆるっと紹介
配信は2月14日の金曜日、バレンタインの朝からスタートしました。川上さんは「チョコにも牛乳が入っていますよ」と、この番組らしい入り方で話し始めます。
この日の天気は久しぶりに一日中晴れ。最高気温は10度で、寒気が入るという予報のわりに、こちらはそこまで冷え込まないようだと話されています。
仕事の予定は、朝の飼料会社とのミーティング、乳牛の世話、そして毎週通っている整体。税務署や農協まわりの書類の用事もあって、慌ただしい一日になりそうです。
川上 今日が2月14日の金曜日でございます。バレンタインですね。世の中の人は。チョコレート中にも牛乳入ってると思いますんでね。
20年もの自動餌やり機がギリギリのライン。壊れたら600万〜700万
前日は配信ができなかったそうで、その理由は自動餌やり機の不調でした。20年以上使っている機械で、基板がヤバいのではと調べてもらったものの、そこまでではなかったといいます。
この自動餌やり機は、一日6回も餌をやってくれる存在です。それを手作業でやったのは本当に大変だったと、川上さんは振り返っています。
自動餌やり機 牛に決まった時間・量の餌を自動で与える機械。酪農では毎日何度も給餌が必要なため、こうした機械が労力を大きく減らしてくれます。
業者さんが修理に来てくれて直ったのは朝9時半ごろ。これを直してくれる業者さんもいなくなるのかと思うとゾッとすると、川上さんは設備を支える人手の先細りにも不安をのぞかせます。
川上 もうギリギリのライン走ってます、本当に。自動餌やり機が一日6回餌をやってくれるんですけども、それを手でやったのは本当に大変でしたね。
今この機械を新しく買うとしたら、600万から700万ほどになるだろうとのこと。だからこそ「あんまり重い感じでなく、美味しいって言いながら、ちょっとだけ牛乳のことを考えて飲んでほしい」と呼びかけています。
「新規就農すると婚活は難しい?」というお便りが到着
乾杯とお知らせを挟んで、今回のメインであるお便りコーナーに入ります。音声配信アプリSPOONのリスナー、レイニーさんから質問が届いていました。
質問(SPOONネーム・レイニーさん) 新規就農したりすると婚活難しいですか?ポイントあれば教えてください。
川上さんはまず、自分自身はあまりアドバイスできる立場ではないと前置きします。学生時代に付き合っていた奥さん(後輩)とそのまま結婚し、就農したため、婚活の紆余曲折を経験していないからです。
とはいえ、農業の後継者不足やパートナーがいないという話はSNSでよく見かけるところ。そこで川上さんは、農業者の婚活についてAIに情報を調べてもらい、その内容を紹介していきます。
農家専門のマッチングサービスが、もうこんなにある
AIの回答によると、農業従事者は都市部から離れた地域での生活や不規則な勤務形態から、出会いの機会が限られる傾向があるとのこと。一方で近年は、農業者向けの婚活サービスやイベントが増えているそうです。
川上さんが驚いたのは、農業者向けのマッチングアプリやサイトがすでに存在していたこと。番組では、AIが挙げた3つのサービスが具体的に紹介されました。
AIが紹介した農家向けマッチングサービス
サービス名
形態
特徴
ライタイ
農業専門の婚活サイト
専属の恋愛コンサルタントによる電話相談や、相性のいい相手の個別紹介など手厚いサポート
アグリマッチ
農家専門の婚活マッチングアプリ
農家の日常を画像付きで投稿できるSNS機能や、婚活アドバイザーのサポート
イナカ婚
マッチングサービス
田舎暮らしや農業に興味のある女性と、地方で農業経営を行う男性をオンラインでマッチング
これらは、元農家や農家の人がサービスを作っているケースもあるようで、農家目線で親身になってくれるシステムになっているのでは、と川上さんは見ています。
さらに、街コンの農業版ともいえる「農婚」というイベントも各地で開かれているとのこと。農林水産省主催の「棚田婚」では、稲刈り体験やバーベキューを通じて参加者が交流したそうです。
棚田 山の斜面に階段状に作られた田んぼのこと。段々畑のように連なった景観が特徴で、地域の農業や風景の魅力を伝えるシンボルとしても親しまれています。
行政の支援もあり、埼玉県所沢市では婚活イベントへの参加費補助、結婚相談所への登録料の補助、結婚お祝い金の支給などを実施しているそうです。農業者の婚活を支えるサービスやイベントは、想像以上に多岐にわたっているというのが、この回の一つの発見でした。
川上 結構ちゃんとしているシステムいっぱいあるんだなと思って。便利な世の中になったもんだなと思いますけど。
「農業に興味がある人とマッチング」に感じる、ちょっとした引っかかり
便利なサービスがある一方で、川上さんは自分なりの引っかかりも正直に打ち明けます。それは「農業に興味がある人とマッチングするのは、なんだか嫌じゃない?」という感覚でした。
川上 農業に興味がある人とマッチングするのってなんか嫌じゃない?って思ったりするんですけど、僕だけですか?これ。
一緒に仕事をして、みんなで家業としてやろう、という前提の農業がこれからどうなのか、という戸惑いです。仕事とパートナー選びが最初からセットになっていることへの違和感、とも言えます。
さらに川上さんは、出会いがなくてマッチングサイトを使う人は、休日も仕事に追われているような人になりがちだと指摘します。自分もそうだからと断りつつ、それより余裕がある相手と付き合ったほうがいい、という考えを示します。
川上 仕事だけじゃないですから。家庭もあって、子育てもしてもらいたいじゃないですか、旦那さんにね。
家庭や子育てを一緒に担うことを考えると、時間や心に余裕のある生活をしていることが大事。そして、余裕がある人にはそもそも出会いもあるから、こうしたサイトを使わないのでは、という指摘も。
だからこそ、マッチングサイトを使う層には一種のバイアスがかかってしまうのでは、というのが川上さんの見立てでした。
婿である川上さんが語る「農業を家庭に持ち込まない」大切さ
自身も婿として就農した川上さんは、農業と結婚をめぐる難しさを実感を込めて語ります。「結婚することも、農業を継ぐことも、単純なものではない」というわけです。
その上で川上さんが特に大事だと考えているのが、家庭に農業を持ってこないという点でした。仕事場で一緒になって喧嘩し、家でもごちゃごちゃし、また作業場でぶつかる、という状態を避けたいのです。
川上 別々の仕事して、家庭に農業を持ってこないっていうとこが本当に大事だと思います、僕は。
夫婦で作業を押し付け合うような雰囲気になると、従業員を雇っている牧場では従業員も働きにくくなってしまう、と川上さんは現場の視点から補足しています。
リスナーからの「別々の仕事は丸って書いてほしいマッチングアプリ」というコメントには、川上さんも共感しつつ、それなら農家専門ではなく普通のマッチングアプリでもよいのでは、と率直な疑問も返しています。
結論は「まず余裕のある農業者を目指す」こと
話を締めくくるにあたり、川上さんは新規就農と婚活の関係をあらためて整理します。ポイントは、余裕を持って農業をやるには、親が作ってくれた基盤があるかどうかが大きい、ということでした。
自分が社長として家族経営・新規就農でやっているような条件だと、なかなか家から出て出会いの場に行くのは難しい、と川上さんは言います。むしろ家から出られる社長のほうが、家業がうまくいっていない可能性もある、という厳しい見方も示しました。
それでも川上さんの答えは前向きです。まずは仕事の収益をしっかり上げ、土日は休めるような環境を作ること。そうして心に余裕ができると、周りが見えてきて、その余裕あるオーラを素敵だと感じてくれる女性もいるはずだ、というのです。
まず一旦家業をしっかり利益を上げて、余裕ができる農業者を目指していきましょう。 ── 川上
余裕のある農業者になるための流れ
1
家業の利益を上げる
まずは仕事の収益をしっかり確保する
2
休める環境を作る
土日はしっかり休めるような働き方に整える
3
心の余裕を持つ
余裕ができると周りが見え、余裕あるオーラが出る
4
素敵だと感じてもらう
その余裕を素敵だと思ってくれる相手との出会いにつながる
「そこからだと思う」という言葉で、川上さんはこの相談への答えを結びました。テクニックより先に、余裕のある農業経営そのものが大事だ、というメッセージです。
まとめ
新規就農と婚活というお便りをきっかけに、農家専門のマッチングサービスの充実ぶりと、婿として就農した川上さん自身のリアルな考えが語られた回でした。便利なサービスの紹介にとどまらず、農業と家庭の距離の取り方まで踏み込んだのが印象的です。
- 農業者向けには、ライタイ・アグリマッチ・イナカ婚といったマッチングサービスや、棚田婚などのイベント、自治体の補助まで幅広い支援がある
- 川上さんは「農業に興味がある人とマッチング」という前提に、仕事とパートナー選びがセットになることへの違和感を持っている
- 婿として就農した経験から、夫婦で農業を家庭に持ち込まないことが大切だと考えている
- 結論は、まず家業の利益を上げて余裕のある農業者を目指すこと。その余裕が出会いにつながる